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スケジュール

【予告&前回の内容】つれづれ・・・散歩道 8/16は...

09年08月08日

--[ラジオスケジュール]--

8月2日「等々力渓谷編」
8月9日「戦前の名歌手 上原敏編」
8月16日「ビックサイト鉄構技術展編」
8月23日「龍ヶ崎コロッケ編」

※上記内容は予定となっていますので、変更される場合がございます。



--[8月9日の放送内容]--

戦前の名歌手上原敏編

皆さんは上原敏さんという歌手をご存知ですか?といっても半世紀以上も前のお話。つれづれをお聞きの皆さんには懐かしいと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

明治41年生まれ、秋田県出身、ヒット曲は「嬬恋道中」「流転」「裏町人生」など230曲もの歌を唄い、東海林太郎さん、藤山一郎さんらと同時代に生きた人です。

しかし大ヒットしたにもかかわらず、歌手生活はわずか7年間。上原さんはポリドールレコード団として、上海、南京、満州、など戦地へ行き慰問して兵隊さんを励まして活動していました。ところがある日、何かの間違いで本名の松本力治のところへ召集令状が届いたそうです。

敏さんは断らずに自ら志願してニューギニアの戦地へ赴きます。その手紙など、家族にあてた手紙なども紹介されました。しかし残念ながら敏さんは戦地でなくなられてしまったのです。

今でもこうして敏さんの生き様や人柄は語り継がれ歌を通じてファンになった人たちが集まりました。もうすぐ終戦日を迎えますが、今日はそんな上原敏さんの会にお邪魔したお話です。




岩手へ仕事行ったときに岩手めんこいテレビの矢野信雄さんという方を紹介されました。

矢野さんは歌謡曲の制作を携わり、懐メロが大好きで、お父様の影響で熱烈な上原敏のファンとなったそうです。歌を唄う私に、是非この機会に知って欲しいと声をかけていただきました。

場所は浅草台東区民会館の特別会議室。ここにはステージがありスクリーンが設置され音響装置スピーカーが用意されており、生前の上原敏さんの遺影が飾られています。丸いめがねに髪形は七・三に分けてスーツ姿で笑っている。享年36歳、今生きていれば101歳。

実はこの上原敏さんの会は、今年で20年だそうですが、数年前にグランドフィナーレを迎えピリオドを打ったそうです。会にはいつも上原敏さんの奥さんも参加していたそうですが、昨年91歳で亡くなったため、「未亡人を偲ぶ会」として再び会を行うことになったそうです。




上原敏さんは、もともと歌はうまかったそうですが、はじめはサラリーマンでした。会社の野球部に所属していたそうですが、そこで親しくなったのがレコード会社の野球部。
偶然、その野球部に郷里の先輩がいて、売れっ子作家兼ディレクターの藤田まさとさんを紹介していただいたのが歌手へのきっかけになったそうです。
デビュー曲は、40万枚ヒットの「妻恋道中」。その後も連続ヒットを飛ばしたそうです。

この日はその他のヒット曲や秘蔵の音源や戦前のフィルムなども上演し、様々な角度で取材し4時間に及ぶ中身の濃い素晴らしい内容でした。またテノール歌手のような上原敏さんの歌声は無理のない声で、声を聞き優しいお人柄を感じさせる味わいがありました。




今回の取材で私の心に残ったものは、戦時中の日本。戦争の悲惨さ、肉親の苦しみなど、当事者からの話を聞くと歴史を受け止めていくことがとても大事だと感じました。
ひとりの歌手の残した功績が、時代を経ても敏さんを愛する人たちによって語り継がれていくことに、とても感銘を受けました。私も自分のできる精一杯のことを心がけようそう思った1日となりました。






◇リンク◇

千花有黄ブログ「つれづれ...散歩道」: 戦前の名歌手
上原敏 - Wikipedia

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