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スケジュール

【予告&前回の内容】つれづれ・・・散歩道 1/24は...

10年01月17日

 [ラジオスケジュール] 

1月3日

品川朗読ミュージカル編

1月10日

刺身講座と握りすし体験編

1月17日

鎌倉俳句の会編

1月24日

水上町湯宿温泉編


※上記内容は予定となっていますので、変更される場合がございます。



[1月17日の放送内容]

鎌倉俳句の会

さて今日の散歩道は鎌倉へいったお話です。ただお寺を見に行ったのではありません。俳句の会へ誘われたのです。

本当は苦手でどうしようかと思いましたが、先生がとても優しく少人数と聞き、見学方々出かけていきました。

少し前の1月4日。鎌倉駅は三が日を過ぎたというのに大混雑でした。ここで待ち合わせをしました。なぜ鎌倉になったのかというと、先生が大船で会のほとんどの方が横浜在住だからです。「泉俳句会」永井純子先生です。

78歳とは思えない美女、迷子にならないように茶色いかっちりした帽子をかぶっておられお洒落。他に知的な60歳前後のご婦人と私の8名でした。

4日は鶴岡八幡宮で行われる式典「手斧式」と「出初式」が行われます。「手斧」と書いて「ちょうな」と読みます。
「手斧(ちょうな」始式」、簡単に言うと大工さんの仕事始めの式典です。今日はこれを見学し俳句を作ろうということなのです。




さてこの式典の出発場所は八幡様の鳥居の前で、参道を練り歩き境内へ向かいます。白いちょうちんがずらっと並んでいます。宮司さんや装束をまとった2、30名の建築に関係する方たちに「木遣り唄」を歌うはっぴ姿のとび職さんたちが参集。これに奉納するご神木を地車で八幡様の式典が行われる舞殿まで引いていくのです。

私たちもついていきました。もう、俳句つくりは始まっています。皆さんはメモを片手に目の前に見える風景や装束姿の人などに質問しています。

確かに衣装で位がわかるし、かぶっている烏帽子も違う。履物などにも注目し、名前などを積極的に質問して俳句の題材を見つけています。
私はといえば呆然とし、ただただ先生にくっついて様子を伺い、横で話を聞くのが精一杯、でも目の前に見えるものがいつも以上に新鮮に写りました。

生け花のようにメインの言いたいことは何か、季語は何にするか、添えるものは何か・・先週の刺身講座みたいに俳句も同じで、言葉をどう17文字にまとめるか。


さて行列について歩き、境内に着きました。この日の八幡宮は初詣客でごった返し、例年の何倍もの人だかりだそうです。手斧式も見物客で一杯です。

ご神前には海川山野のお供え物、そこで宮司さんによる祝詞が続き、神前の前では斧、のこぎり、かんな、など道具などを振りかざし儀式にのっとり進行しています。




式典が終わり、このあとは、いよいよ句会をおこないます。句会には落ち着いた場所が必要です。小町通沿いの小道に素敵な喫茶店が有ります。やはりある程度、長居できる落ち着いた場所が必要です。さて、段取りが有りますが、簡単に説明します。

自分たちの書いた俳句を提出し、短冊にひとつづつ書きます。また誰の俳句かわからないように短冊をみんなで分けて清書していきます。今度はその清書されたなかから自分以外のいいと感じたものを選んでいきます。
そして一人一人自分の謹選したものを発表します。なんだかまぐれで私の俳句が読まれるとうれしいものです。誰ですか?「千花!」

最後は先生による選句です。みんなが選んだもので点数の多いものなどが読み上げられます。先生の俳句は「ひもろぎに 流るる祝詞 手斧式」。ひもろぎとは手斧の式典が行われている場所で、「神様のお庭」だそうです。土素人の私は、この先生の俳句を歩いているときに聞いていたので、その言葉をいただきこう作ってみました。

「ひもろぎに 赤ん坊の 初わらい」なんだかいかにも素人でリズムが悪いですね。もうどうにでもなれというような気持ちでただ当てはめたのです。

でも感じたのです。ちょうど「手斧式」を見ているとき、人だかりで遠く、よく見えず式典が長く感じられたのです。そのときにお母さんに抱っこされた赤ちゃんが私の顔を見て笑ってくれたのがうれしくて、退屈紛れにあやして楽しんでいた時の気分を俳句にしたのでした。
ところが「赤ん坊」という表現は現代的過ぎるので、こう先生に添削し直していただきました。「ひもろぎに 背負いしややの 初笑い」。
こうするといい感じですね。「赤ん坊を・・背負いしやや」・・これが出てこない。

皆さん、真剣ではありますが笑いもあり、店内ではクラッシックが流れる中、美味しい珈琲とチーズケーキを食べ和やかでした。
しかし、選句のときは先生の声はきりっとした通る声で句を読み上げるので、全員が緊張感を持ち、背筋がぴんと伸びる思いでした。





初体験の俳句の感想ですが、現場へ行き、みんなで同じものを見て、それについて語ったり、知らないことを学んだりする。
また皆さんの俳句を自分で選んでまた感じ、みんなの選んだものと自分が選んだものが違ったり、そこでまた感じることが出てきたり。そして最後は先生から、皆さんのものを添削し、説明していただく。一度にたくさんの考えを学び、それもわかりやすい。だから、何だか、とっても気持ちがよく楽しかったです。

これは普段使っていない右脳が働いたせいでしょうか?また先生は皆さんの作った俳句をどれが良いか選ぶのが一番大変だと言っておられました。こした句会は何もかもわかっている指導者がいなければうまくいかないということよくわかりました。

言いたいことをおもむろに表現するのではなく、よく咀嚼していく奥ゆかしさが、日々の生活でも共通しているような気がします。それに素直な気持ちや受け取る心がなければ上達しないとおっしゃられていました。

短い時間ですが私にとっては目からうろこ、まずは自分が素直に感じること、その大切さを改めて痛感しました。





◇リンク◇

鶴岡八幡宮

千花有黄ブログ「つれづれ...散歩道」: 鎌倉へ

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