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【予告&前回の内容】つれづれ・・・散歩道 6/6は...
10年05月30日
[ラジオスケジュール]5月23日 | 滋賀県長浜市コンサート衣装工房見学編 |
5月30日 | 滋賀県近江商人グルメ編 |
6月6日 | 皇居東御苑編 |
6月13日 | 熊谷市利き酒会編 |
※上記内容は予定となっていますので、変更される場合がございます。
[5月30日の放送内容]
滋賀県近江商人グルメ編
おはようございます。
先週は羽柴秀吉が築城した長浜城のある長浜市での、反物を使ってデザインした工房のご紹介をしましたが、今日は翌日観光し、地元の料理屋さんのお話をしたいと思います。
ところで「近江商人」って言葉ご存知ですか?
主に鎌倉時代から昭和にかけて、本拠地を近江におき、県外で商売して成功された人たちのことを言います。今もその流れを汲んだ企業がたくさんあります。高島屋、大丸、西武、伊藤忠、丸紅、西川産業。
その近江商人の発祥した町が「近江八幡」や「五個荘町」というところなのです。主に産業は繊維や毛糸に、そして鍋蓋が有名です。
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まずは近江八幡へ行ってきました。豊臣秀嗣が城を築いたときに碁盤目状に作られた城下町です。水郷巡りが有名です。水辺に移る白壁と瓦屋根の建物がきれいで、石垣も立派。舟はのんびりと橋の下をくぐり、黄色い花菖蒲に柳が芽吹き、ミュージアムなど瓦屋根の古い町並みを眺めながら川くだりをしてきました。
その後バークへンで有名な、たねやさんのお店により、バームクーヘンと、育てたというバークーヘン豚のしょうが焼きを食べました。
八幡山の頂上にロープウェイで上がると城跡があり、琵琶湖や手前の西の湖に安土城などのある山など戦国時代を偲ばせる風景を見ることができました。
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そして場所を移し今度は文化保存地域になっているお隣の東近江市の五個荘町へいきました。この町は近江八幡よりも観光地っぽくなく今も近江商人のお屋敷で人が住んでいるところがたくさんあります。
五個荘町は5つの地区がひとつになった町ですが、どの地区にも立派な神社仏閣がそれぞれあるので、あまりの立派さに驚いてしまいました。きっと近江商人が寄付して作られたのでしょうね。お祭りの時期になると皆さん仕事を休んで町を上げて祝うそうです。
都会ではそんなことってありえないですね。コンビニなどもちろんありませんし。
しかしこの建物の魅力がすごい。舟板塀で作られているのですが、一つ一つの板がいい感じの色合いをかもし出し、特に茶色の建物の素敵なこと。
いい材料に時間をかけた手間と街並みを中心とした文化が見えてきます。白壁の屋敷や蔵が立ち並び、時折地元の人とすれ違うと「おいでやす」と声をかけてくれます。家の前には小さな堀割があり水が流れています、そこに真っ白なカラーの花が咲いています。昔は洗濯したり、茶碗を洗ったりして、屋敷の中に水はつながっています。静かな町です。
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夜は近くの愛知川といって五個荘の隣の地区ですが、愛知県の愛知と書いて「えち」と読みます。中山道の67番目の宿場町のあるところの料亭で地元の方と食事をしました。
「竹平楼」といって昔は旅籠だったそうです。立派な門構えに先には大きな2本の松ノ木が青々と伸びて見えています。なんでも明治天皇が2度、休憩にたち寄られたそうで、今もその部屋は保存されてしめ縄で囲われていました。
当時1,000円という大金で有名な宮大工に頼み玄関や室内を改装したそうです。いただいたのは15円だったそうですが大変なことだったそうです。130名のお供、岩倉具視、勝海舟、山岡鉄舟、大隈重信ら明治を築かれた人を伴われたそうです。今もそのお部屋は女将さんがご案内くださいます。
座敷からは小堀遠州の流れをくんだ、松や紅葉や池や石などが配置されたお庭ライトアップされています。
地元ではお酒を飲むのに同じ盃で飲み交わすならわしがあるそうです。お酒は地元の「琵琶湖の舞」会席料理ですが、地元の琵琶湖でとれた稚鮎や鯉の飴煮がとってもお酒に合い美味しかったです。
最後に特別にフナ寿司をいただきましたがこれがとっても美味しくて癖になりそうな味わいなのです。熱いお湯をかけて少し醤油をかけて食べると身体があったまります。
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一度訪れたくらいでは本当に序の口です。また滋賀の旅を重ねていきたいとおもいます。
今度は安土城の、あの結構きつい石段に登って頂上から信長が見た琵琶湖みたいと思います。
最後に近江商人の心得を聞きました「三方よし」という言葉があります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」ということです。なるほどです!今でも色あせることのない近江八幡や五個荘の町並みをみると近江商人の心意気をつくづく感じました。
◇リンク◇
日本料理 竹平楼
千花有黄ブログ「つれづれ...散歩道」:2010.05.09