スケジュール
【予告&前回の内容】つれづれ・・・散歩道 2/26は...
12年02月19日
[ラジオスケジュール]
2月12日 | 新国立美術館書道展編 |
2月19日 | 横須賀美術館編 |
2月26日 | 節分祭・高尾山・谷保天満宮編 |
3月4日 | つくば市北斗寺編 |
※上記内容は予定となっていますので、変更される場合がございます。
[2月19日の放送内容]
横須賀美術館編
おはようございます。前に横浜に住む知人から、気分転換に横須賀美術館を薦められました。
北斗町や仕事のついでの散歩が続いていたので久しぶりに、ぶらっとも良いかなと思い、出かけました。
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JR横須賀駅で下車。横須賀は軍艦三笠丸を見学したり、海軍カレーを食べた以来です。
横須賀のホームで降りると、海風が冷たくほおに当たる、駅を出てバスターミナへ行く。横須賀美術館は「観音崎行き」のバスに乗り約30分揺られます。
防衛大学の学生が乗車してきました。バスは大通りを走り、やがて国道16号線へ出て、海岸線を走ります。波が今日は荒く、遠く水平線には基地のような設備が見えてきました。
道路は曲がりくねり、漁船が見えてきました。漁港が沢山あり、釣り船の宿が目につきます。
磯料理がおいしそう。途中レンガの建物があったり軍事要塞など見かけた。バス停「観音崎京急ホテル前」で下車すると・・・なぜだか、カレーの香辛料の匂いがぷんぷん漂ってきた。
海軍カレーで売り出し中の横須賀はカレーの街なんだろう。ここから100m先の左手が横須賀美術館です。
せっかくなので、階段を下りて海岸に出てみた。波のゴーゴーというものすごい音、海の深さ、自然のすごさに圧倒されて、怖いと思いました。
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美術館は、なだらかな芝生の斜面10mほど先にあり、2階建てでガラス張りの建物です。1階はイタリアンレストランで、その奥に常設展があり、別棟に、昔週刊新潮の表紙の絵を描いていた「谷内六郎館」があります。
今回は、この谷内六郎さんの絵を見に来たのです。子供のころ、「週刊新潮は明日発売です」とあの牧歌的な絵と子供の顔が記憶に残っていました。
白く建物の展示室は2つあり、約40点の週刊新潮の表紙の絵の原画があります。1979年の1月号から12月号まであります。約1300点あるそうです。大きさは40cm x 30cmで、水彩画が主ですが中にはろうけつ染めのものがあります。
伝えたいことが、絵を見ると伝わってくるし、絵にはタイトルが書かれています。かならずその表紙の絵についてのコメントが書かれているので、メッセージが伝わってきます。
絵を見ると女の子と男の子の兄妹が多いです。冬の日屋根に雪が積もり、子供が隣の子供に雪の団子を投げたら、屋根に自分の手袋が乗って、困っている絵ですとか。子供の目線で見つめているし、細かな出来事をよく覚えているなと感心です。
表紙絵は谷内さんが亡くなる直前まで続けられ、昭和31年から57年の26年間続いたそうです。じ〜っと見ていると、考えさせられるような、一見子供っぽいようだけど、そうではない強い思いの絵です。
きっと懐かしく思い出されるのではないでしょうか。この美術館の景観もここにある作品と同じ景色がありました。美術館から見える浦賀水道の行きかう船、赤と白の大型の船や青と白の船、のんびりと行きかっているのを見ると気持ちがゆったりとしてきました。
他に5月のこどもの日の表紙絵「甍が波に見えた日」は、甍が波に見えてそこに鯉が泳いでいる絵です、それを新聞で作ったような兜をかぶった後姿の坊ちゃんが見ている。
谷内さんの文面の中にも、文明の進歩には良い面と悪い面があるということや、先々のことを心配していました。確かに便利になると、感じる前に答えを教えてもらうので、感じようとしなくなる。本当に大切なことは自分で感じ、そして考えることじゃないかとふと思いました。
ミュージアムショップで、春を待ちわびる姉弟と土の中で布団から草木が芽を出している絵など、糸電話、ミシンの音、公衆電話、井戸と懐かしいものがたくさん登場してくる画集を買いました。
常設展もよかった。日本画家の絵が沢山あり、私の叔母が大ファンだった三岸節子さん絵や岸田劉生、佐伯祐三さんのなど、今まで見たことのない作品に触れることができました。
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せっかくなので、昼食は1階のイタリアンレストラン「アクアマーレ」でシェフのお薦めコースを食べてきました。相模湾で獲れた真鯛と長葱のクリームソテーややわらかいやりイカのイカ墨のパスタ美味しかったですよ。
美術館の中で海を見ながら、美術作品を見て美味しいイタリアンレストランで過ごす。思考も味覚もいい刺激を受けて大いに新鮮な気持ちになりました。
帰りのバスや電車で、画集を見ながら思いにふけり、とてもいい気持になって帰ってきました。
◇リンク◇
横須賀美術館
千花有黄ブログ「つれづれ…散歩道」: 横須賀美術館
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